おりふしの記

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zoom RSS チョッキリ虫が落としたドングリの中は…

<<   作成日時 : 2011/09/02 17:45   >>

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 コナラやクヌギの小枝が多量に落ちているのは何故か疑問だったが、今までの調査や観察で、それは、ハイイロチョッキリという甲虫の仕業であることが判明した。 そして、その後の観察や調査によって、新たな確認をすることができたので、それについて触れておきたいと思う。

小枝を落としたコナラの木

 前回までに、若いドングリの実のハカマの部分に産卵した穴の跡があることを観察し、確認することができた。 そして、さらに、「穴の開けられたドングリの中は、どうなっているのだろうか。」という新たな疑問が湧いてきた。 クヌギとコナラの実を比較すると、コナラの方がハカマの状況がすっきりしていて穴が確認しやすいので、コナラに絞ってドングリの中を調べることにした。
 ドングリの実を産卵した穴の付近でカッターで切ってみると、穴が開けられた実の表面近くに入り口より広い茶色く変色した空間があった。 きっとこの空間がハイイロチョッキリの産卵部屋(産卵場所)に違いない。

二つに割ったドングリ

 ドングリは若いので簡単に指先で割ることができた。 割ったドングリを目を懲らして観察してみたが、すぐには卵は確認できなかった。 ドングリの割り方にもよるだろうと考え、慎重にいくつかのドングリを割ってみた。 その中の一つのドングリの茶色くなった部屋の中に、米粒型の白い卵が産み付けられているのを見付けた。

ハイイロチョッキリの白い卵

 ネットで調べると、ハイイロチョッキリは口吻という長い鼻のような道具で、ドングリに卵を産み付けるための穴を開け、この穴にお尻の産卵管を茶色に変色した広い部屋まで差し込んで、卵を一つだけ産み付けるのだそうだ。

 ここまで来ると、こんな産卵の仕方をするハイイロチョッキリとはどんな昆虫か、正体を確かめずにいられなくなるのがわたしの性分だ。 ところがこれは意外に難題で、見掛けるコナラやクヌギの木はみんな高木で、とても小さな虫を見付けられるような状況ではないのだ。

 ところが灯台もと暗しと言おうか、いつも朝の散策の時に愛車を駐車する場所に枝をたくさん落とした樹高の低いコナラの木があった。 背伸びをしてようやく届く当たりにお目当てのハイイロチョッキリをようやく発見することができた。

ハイイロチョッキリの雌雄

 まず最初に、雌雄一緒のチョッキリを見付けた。 口吻を穴に差し込んでいるハイイロチョッキリも見られた。 産卵の穴を開けているのか、すでに開けた穴を埋めているのかは定かでないが、口吻を穴に差し込んでいるのが分かる。 それにしても鼻の先が長く伸びたような姿は、何ともユーモラスだ。 まずこれは、ハイイロチョッキリに間違いないだろう。

ハイイロチョッキリ

 今回は、何故小枝を切り落とすのかについては触れられなかったが、このこと一つとってみても様々な仮説が考えられ、興味は尽きない。
 日々の散策で、見掛けた事象に疑問が湧き、それがこうして事実を通して解明されていく時に味わう快感の魅力に魅せられ、また明日からの散策が続けられるのだ。

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コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは。
こんな小さな虫だったのですね!!
良く見つけることができましたね!!
でも一個だけ卵を産みつけ、その実がついた枝を切り落としてしまうのは何故なのでしょうね?
次々と疑問がわいて来てワクワクする気持ちとても良くわかります。
すみません、私は色々教えていただくだけで・・・
でも、とても楽しみです♪  
ネネ
2011/09/02 22:13
今晩は。これは素晴らしい観察です。口吻をさしこんでる写真はスク−プものですね。楽しくてしょうがないと、喜々として観察してる様子が眼に浮かびます。
しかし、疑問も次々湧いてきますね。
この解決策を考える、これもまた楽し--。
行き当たりばったり
2011/09/02 23:52
 ネネさんへ
こんな小さな虫が、爪楊枝位の太さの枝をかみ切るのですが、
人間に例えてみれば、電柱位の太さになるのではないでしょうか。
産卵前に少し切っておき、産卵後に完全に切り落とすようですが、
それにしても、大変な作業です。

何故切り落とすのかについては、写真に表現することができませんし、
解明するには、本腰を入れないと…。
しかし、色々仮説を立ててみるのは楽しいですよ。
wagtail
URL
2011/09/03 21:38
行き当たりばったりさんへ
背伸びをしながら苦労して撮った何枚かの写真の中に
ラッキーなことに、たまたま、いい場面が写っていました。
デジカメだからこそですよね。
観察を通して疑問が少しずつ解明されていくと、
年齢に関係なく、非常に嬉しいものです。
これが自然に親しむことの、この上ない魅力でしょうか。
豊かな自然の中に生活できることに、こうした経験が日常的にできることに感謝です。

wagtail
URL
2011/09/03 21:44
流石、流石、wagtailさんのカッターナイフの秘密兵器
出ましたね。
此処まで完全観察には敬意以外の何も有りません。
お見事です
あいべん
2011/09/04 19:32
あいべんさんへ
疑問解決のための仮説が実証された時の快感はこの上もない喜びでもあります。
少年のような感動を味わえます。
人から見たら、小さなドングリや虫を相手に、大の男が…と思うでしょうね。
まだ子どもなんですよ。
でもやっぱり自然て、楽しいものですよ〜。
wagtail
URL
2011/09/05 16:41
なんだか象みたいな形の虫。あんなにいっぱい葉を落としてしまうには
あまりにも小さな虫ですね。
好奇心は大切だと思います。こんどはどんな謎解きをなさるのでしょうか・・・。
私もご一緒に楽しませて頂いています。



雅♪
2011/09/05 22:42
雅♪さんへ
犯人のハイイロチョキリは、ご覧のようなユニークな形の甲虫でした。
わたしも初めて見付けましたが、こんな小さな虫が小枝をかみ落とすのですね。
仕事をするのは雌で、雄は一切手伝わないそうです。
観察中も、雄はすぐポロッと下に落ちましたが、
雌はしっかりしがみついたようにその場にいました。
自然界の疑問が解決できた時は、子どものような喜びを感じます。
こういうことって、子どもの頃から大好きでした。
wagtail
URL
2011/09/06 16:57

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