おりふしの記

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zoom RSS 繭を見付ける、冬の楽しみ

<<   作成日時 : 2013/01/11 16:36   >>

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 季節に応じて新緑や紅葉を楽しんできた雑木林も、今は落葉して閑散としている。 そんな林道を歩くと、落葉樹の枝に虫が作った 「繭」 が付いていることがある。 今は、林の見通しがよくなっているため、よく目立ち結構見付かるものだ。

ウ ス タ ビ ガ

 緑の葉が茂っている頃にはほとんど見つけることができないが、落葉期が終わるとこの一際目立つ黄緑色の繭は、遠くからでもすぐに見つけられる。 そんなに高い枝にあるのではなく、地上50pから1m50pくらいの所に付いているせいもあるが、散歩道では一番多く見られるウスタビガの繭だ。
 ウスタビガは、漢字では 「薄手火蛾」 、とか 「薄足袋蛾」 と書くのだそうだ。 「手火」 とは、提灯のことだが、繭の形が提灯や足袋の形に似ているからこの名が付いたのだろう。
 ウスタビガは、ヤママユガ科の蛾で、4〜5月に卵から幼虫となり、6月中旬〜下旬に繭、11月ごろに羽化して蛾になるそうだ。 かます形の繭の上には成虫が出る穴、下には雨水を出す穴がある。 中にいた蛾はすでに羽化しているので、今の時期の繭の中は既にからっぽだということになる。
 細い木の枝に繭の糸を絡ませて、強風にも飛ばされないように付いている。 絹糸と同じなの枝から無理に離そうとしても細い枝の方が折れてしまうほどの強度がある。 鮮やかな緑色は、春先には少し色褪せてくるが、3年以上同じところにぶら下がっていた繭を散歩道脇で見ている。 その丈夫さがわかるというものだ。 何年もたって色あせた繭でも、絹と思えば愛着が湧くような気がする。 

ヤ マ マ ユ ガ

 ウスタビガのように黄緑色だが、形が俵型の上の写真のような繭を見付けることもある。 散歩道で見付かった数は少なかったが、冬の陽にキラキラ輝いていたこの繭は、「ヤママユガ」の繭だ。 ヤママユガは“天蚕”とも呼ばれ、日本原産で自然の山野で「クヌギやコナラの葉を食べて生息している。 蚕に似たこの薄黄緑色の繭からは天蚕糸とよぱれる美しく良質な生糸が取れるため、繊維のダイヤモンドにもたとえられて珍重されている。
  
 

 雑木林を歩いていたら、どうしたわけか、このヤママユガの繭が落ちていた。 人に踏まれたのか少しつぶれ、色あせていたが、拾ってきてカッターで繭を切り開いてみた。 繭を作っている糸は非常に丈夫で、カッターをもってしても、切り開くのはそう簡単なことではなかった。
 調べてみると、繭1粒から長さで600〜700m程度、1、000粒から重さで250〜300g程度の糸が得られるということだ。 

ク ス サ ン

  見付けた繭の中には、粗い編み目の籠のようで、中が透けて見える写真のような繭も見付かった。 ヤママユガの仲間の 「クスサン」 の繭だ。 スケスケの繭なので、俗に 「スカシダワラ (透かし俵)」 とも呼ばれる。
 この繊維はきわめて丈夫で、手で引き裂こうとしても破れないほどの強度がある。 何せ幼虫の絹糸腺から糸を取り出しテグスにしたというくらいなのだ。 ( 釣り好きの方なら、周知のことだろう。)
 このクスサンも10月には羽化して繭から出ているので、冬に見られる繭はからっぽなのだ。 クスサンもやはり卵で越冬するのだ。

 葉がすべて落ちて見通しのよくなった雑木林、葉がある時期には全く気づくことがなかった昆虫類の生活ぶりを繭を通して垣間見ることができ、昆虫類の息吹を感じることができ、おもしろい。

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
林の見通しが良くなった雑木林の中には発見が沢山ありますね。
私もwagtailさんと一緒に散策している気分になって楽しませていただきました。

身体はいたって元気ですが、感染症を避けて外出を控えているので
少し運動不足気味。
家の中で行進一時間をするように言われました。
自然を相手にできないのでつまりません。

wagtailさんの散策経路を楽しみながら行進に励みます。

東京の往復も思ったより疲れます。
体力つけないとね。
ベニマシコ
2013/01/12 05:19
 ベニマシコさんへ
一見殺風景に見える冬枯れの雑木林も、よく注意して見ると、おもしろい自然の営みが結構見付かるものです。
4月にフィールドが変わってからは、掲載するネタ探しが大変になってきましたが、マイペースで歩いています。

体力維持と気力維持が大切な時期なんでしょうね。
屋内での1時間歩行、これまた大変なことでしょうが、
来るべき輝かしいゴール目指して、励んでください。
わたしもこの寒さ続きに、デジブラがすっかり減ってしまいました。
朝の犬との散歩だけはしないと体がなまってしまうと思っていますが…。
レベルの違い過ぎる話で、申し訳ありません。
wagtail
2013/01/12 20:00
今晩は。繭のいろいろ、楽しいですね。是非自分でも見つけたくなりました。
土曜日12日、近くの「小鳥の森」を久しぶりに歩きました。えさ場の野鳥しか見られなかったですが、ネイチャ-センタ−の職員さんから、いろいろお話が聞けました。
行き当たりばったり
2013/01/13 00:22
 行き当たりばったりさんへ
葉が全部落ちきった広葉樹の雑木林ですが、
赤い木の実の他に、こんな緑鮮やかな繭も見付けられます。
以前にも掲載したことのある3種の繭ですが、サイトで調べてみると、
色々知らなかったことが教えていただけ、興味が尽きません。

探鳥には最高の時期、近くに「小鳥の森」といういい環境があるんですね。
しかも専門家からお話も聞けるなんて、なんとうらやましいことでしょう。
wagtail
2013/01/13 15:15
冬の森は冬ならではの魅力がありますね。
クスサン、ヤママユガは私も森で見かけたものです。
数年前は、霧氷に覆われた真っ白い林が見たくて、
追分の先の大日向まで走ったものです。
最近すっかり出る気力が無くなって、冬の森からも遠ざかり気味。
wagtailさんの散策を楽しませていただいています(^O^)
雅♪
2013/01/14 00:34
雅♪さんへ
この時期の雑木林は落葉し、冬枯れ状態。
そんな中にうす黄緑色の繭は、よく目立ち、目に付きやすいですよね。
わたしも、デジブラに出かけることは随分少なくなってしまいました。
今では、唯一続けている毎朝の犬との散歩が、わたしの自然散策になっています。
wagtail
2013/01/14 22:33

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