おりふしの記

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zoom RSS 蜘蛛を狩る蜂

<<   作成日時 : 2013/07/03 14:27   >>

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 散策に出ようと外に出ると、足下で何かが動く気配がした。 かがみ込んで、少しずつ移動していく物を見ると、全体が黒っぽい大きなハチが何かをくわえて後ずさりしながら運んでいるではないか。


 近づいて観察してみると、運んでいるのは大型の蜘蛛で、アシダカグモらしい。 そして蜘蛛を運んでいるのは、オオモンクロベッコウという蜂だ。 オオモンクロベッコウは、ベッコウバチと呼ばれる蜂の一種で、大きさは3cmほどある。 和名のオオモンクロベッコウは大きな斑紋をもつ黒いベッコウバチという意味で、体や翅はほぼ真っ黒だが、腹部に一対の橙色の斑紋があることが名前の由来らしい。 写真でも、真っ黒い腹部に橙色の斑紋があることが確認できる。
 ベッコウバチは、あちこち飛び回って蜘蛛を探し、こうして捕まえて巣の中に運び入れるのだ。 この時、蜘蛛が暴れないように毒針で蜘蛛を刺すのだが、殺してしまうわけではなく、麻酔をかけて動かないようにするのだ。 運んでいる最中に2〜3度蜘蛛をその場に置き、近くを飛び回っては戻ってくるという行動を繰り返していた。 確かに置き去りにされた蜘蛛を詳しく観察してみると、体は硬くなっているわけではなく、触れるとわずかに動き、まだ生きていることが分かった。


 それにしても、麻酔で蜘蛛を眠らせているとはいえ、自分の体の数倍もある獲物をグイグイ引っ張っていくベッコウバチのすごいパワーには感心する。 また、時々蜘蛛を置いて近くを飛行して戻ってくるのは、巣までの距離や、巣に至るまでの状況把握をするための偵察飛行をしているのではないかという人もいるが、真実の程はどうなのだろうか…。
 

 ベッコウバチの仲間は、アシナガバチのような集団生活はせず、それぞれの個体が単独で生活している。 交尾を終えたオオモンクロベッコウのメスは、地面に穴を掘って簡単な巣を作る。 そしてこうして麻酔をかけた蜘蛛を巣穴に運び込むのだ。 運び込んだ蜘蛛はこうして殺さずに麻酔をかけておけば、腐ることなく長持ちさせることができるのだ。 そしてメスのベッコウバチは、巣穴に入れたクモに卵を産みつける。 卵から孵化した幼虫は、麻酔が効いて動けない蜘蛛を食べて育つのだそうだ。 やがて大きくなった蜂の幼虫は蛹となり、羽化をして巣穴の外に出てくるというわけだ。


 狩り蜂の狩り場面を見たいと思ってもなかなかタイミングよく見られることはない。 地面を黒っぽいハチが歩き回っていたらよく観察してみましょう。 それは捕まえた蜘蛛をくわえて巣穴の方へと運んでいるオオモンクロベッコウかもしれないのだ。 日々自然散策を続けていると、このような珍しいチャンスに巡り合う機会が結構あるものだ。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
今晩は。すばらしい自然観察ですね。ファ−ブルもかくや---。
できたら、その場にいっしょにいて観察したいくらいです。やはり獲物があると、こうして観察されていても、逃げないものなのでしょうね。息を殺して観察ですか?
行き当たりばったり
2013/07/03 21:58
行き当たりばったりさんへ
こんな場面にはそう頻繁には巡り会えるものではありませんが、
注意深く気を配って歩くとおもしろい場面に遭遇するものです。
しかし、年と共に自然に対する完成が鈍ってきたのか、
昔に比べると、こんな観察機会は随分減ってしまいました。
昆虫や野生動物の動きは、興味深く、見飽きることがありません。
すっかり少年の気持ちになって観察しました。
wagtail
2013/07/04 16:53

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